一人親方の労働災害保険特別加入制度
1 制度内容 業務上の事故や通勤途中での事故を補償する制度として労災保険があります。この労災保険は、労働者が対象であって、事業者などの労働者以外の者は加入できません。建設や土木の現場には、工事現場で労働者と同じ仕事をし、収入を得ている人たちがいます。しかし、この人たちの収入は作業に対する賃金ではなく、仕事の請け負いに対する報酬のため、労働者にはなりません。 この一人で工事現場で働いていて、自分以外の人を雇わない人たちを「一人親方」と言います。 この一人親方は、個人事業主となり、労働者ではありません。 そのため、この一人親方は、事業主であるため、労災保険の対象になりません。 けれども、工事現場で労働者と同し仕事ををしながら、業務上の事故や通勤途中で の事故に対する補償を個人事業主であるために受けられないのには、あまりにも酷 なことです。 そこで、国は、一人親方の労災保険への加入を特別に認めています。 2対象となる災害 この保険で対象となるのは、業務上の事故と、通勤上の事故です。 3給付される保険金の種類 以下の所定の保険給付がされる (1)療養補償給付、療養給付 怪我の病院での治療に対する給付 (2)休業補償給付、休業給付 治療のため、仕事を休んだことに対する給付 (3)障害補償年金、障害補償一時金 怪我による後遺障害が残った場合に給付 (4)傷病補償年金 怪我の治療開始後1年6月過ぎても怪我が治らず、傷病等級に該当する障害程度があるときに給付 (5)遺族補償年金、 保険加入者が死亡した場合に支給 (6)葬祭料 保険加入者の葬儀のために支給 (7)介護補償など 障害年金また傷病年金を受給し、一定の障害があり、現に介護を受けている人に支給 4 加入方法 (1)特別加入を認められる団体を設立し、加入する (2)特別加入を認められている団体を通じて加入する 5 保険料 加入者の収入日額によって算出される 例)収入日額10,000円の場合、年間69,350円